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Mayaを独学で学ぶ方法

  • 執筆者の写真: Rui Zhao
    Rui Zhao
  • 2 日前
  • 読了時間: 9分

 


photo by donpctech
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 Mayaを独学で学ぼうとすると、最初にぶつかるのは「どこから手をつければいいのか分からない」という悩みです。ネットにはチュートリアルや情報がたくさんありますが、レベルや順序がバラバラで、初心者にとっては入り口が見えづらいのが現実です。


 さらに、プロ向けのツールという印象も強く、「本当に独学で使えるようになるのか?」と不安になる方も少なくありません。


 今回は、これからMayaを学びたいと考えている初心者の方に向けて、無理のないステップで進めていく独学の方法を紹介します。最初の学習の進め方から、練習作品の作り方、そして自分のアイディアを効率よく形にしていくためのコツまでを、現実的な視点でまとめました。


 必要なのは、特別な才能ではなく、手順とちょっとした工夫です。

 これから学び始めるあなたにとって、道筋のヒントになれば幸いです。


 

1. Mayaを独学で学ぶのは可能?

 Mayaは、映像やゲーム、アニメーションなど幅広い分野で使われているプロ向けの3DCGソフトです。機能も多く、最初はどうしても「難しそう」と感じやすいですが、独学で習得することは十分に可能です。

実際、独学で始めて基本操作を身につけ、作品制作までたどり着いている人も多くいます。とはいえ、現実的に考えておきたいポイントもあります。


 まず、Mayaは操作や概念が独特なので、「触っていれば何となく分かる」というタイプのソフトではないということ。何をどう学べば良いか、ある程度の道筋を立てて取り組まないと、迷いやすく、挫折の原因にもなります。


 また、習得までの時間も人によって差がありますが、「1日で何とかなる」ものではありません。反復と実践が必要です。ただし、その分、できることの幅は広く、学べば学ぶほど自分の表現力が高まっていく実感を得られるでしょう。


独学で学びやすくなるポイント

  • 初心者向けの教材を最初に選ぶ

 いきなりプロ向けの解説や海外のチュートリアルから始めると、つまずきやすいです。最初は「日本語で基礎だけに絞った」教材が入りやすいです。

  • “何を作るか”の目標を持つ

 漫然と操作を覚えるより、「簡単なキャラクターを作ってみたい」「背景のシーンを作りたい」といったゴールがある方が学習の集中力が高まります。

  • 小さく区切って、1日15〜30分でも続ける

 短くてもいいので、継続することが一番大事です。日常のルーティンに組み込めると、自然と手が慣れてきます。


 
2. 独学ロードマップ:最初の30日でやるべきこと

 Mayaの学習は、「とにかく触ること」から始めるのが一番です。とはいえ、手探りで進めると時間だけが過ぎてしまい、何も残らないことも。ここでは、最初の30日間でどんな順序で学ぶとスムーズか、現実的なロードマップを紹介します。


1〜7日目:環境を整える+画面に慣れる
  • Mayaのインストール(学生ならAutodeskの無料ライセンスを活用)

  • 画面構成、各パネルの名前や役割をざっくり確認

  • 「キューブを作って動かす」など、基本操作に触れてみる

  • YouTubeや基礎チュートリアルで「Mayaの動き」に慣れる

ポイント:「何をしているか分からなくても、まず触る」こと。最初は理解より慣れ。


8〜14日目:モデリングの基礎を練習
  • ポリゴンモデリングの基本操作(押し出し、スケール、分割など)

  • 立方体や円柱など、シンプルな形を少し変形させてみる

  • 「リンゴ」や「マグカップ」など簡単な形を真似して作る

ポイント:“何かを作る”ことで、機能が自然と頭に入るようになります。


15〜21日目:マテリアルとライティングの初歩
  • モデリングしたオブジェクトに色や質感をつけてみる

  • 簡単なライトを配置して「見え方」がどう変わるか試す

  • カメラを動かして、いろんな角度から見てみる

ポイント:「完成っぽさ」が出てくると、モチベーションが上がる時期です。


22〜30日目:ミニ作品にチャレンジ
  • 「シンプルな部屋の一角」や「文房具セット」など小さなテーマを決めて、自分で一通り作ってみる

  • 参考画像(リファレンス)を用意し、それを再現するつもりで進める

  • 分からないことが出てきたら、検索や動画を見て解決するクセをつける

ポイント:とにかく完成までやってみることが最優先。出来映えより“やり切る”体験を重視。


この30日を終える頃には、「Mayaの画面に慣れている」「自分で形を作れる」「作品を完成させた経験がある」という3つの感覚が手に入っているはずです。


 
3. おすすめの教材・YouTube・チュートリアルまとめ

 Mayaの独学で一番ありがたいのは、無料で質の高い教材が多いことです。ただし、情報が多すぎて「結局どれを見ればいいの?」と迷いやすいのも事実。ここでは、初心者におすすめしやすい教材をいくつか紹介します。


日本語で学べるチュートリアル

● YouTube:Mayaの初心者向けチャンネル

「ネクストん3d」

 初心者でも取り組みやすいモデリングやレンダリングの基本が揃っており、日本語解説で丁寧。


【第1回】Maya:超初心者向けよく使う操作について【ネクストんCG】

【第2回】Maya:木箱モデリング【ネクストんCG】

【第3回】Maya:UVの初心者向け解説【ネクストんCG】


「Maya モデリング チュートリアル 初心者」などのキーワード検索

 複数の制作者が短い動画で操作手順を紹介しているので、操作に詰まったときにも活用できる。


● 書籍

『Mayaベーシックス 3DCG基礎力育成ブック』著者:伊藤 克洋

 基礎からしっかり学びたい人に。実際に操作しながら読むことで理解が深まる構成。


ポイント:動画を見るときのコツ

 最初は真似して手を動かすでOK

 理解より再現重視で。1回目は意味が分からなくても、2回目で「ああ、そういうことか」と腑に落ちてくることが多いです。

1本の動画を何度も見直すのもアリ

 新しいことを次々詰め込むより、1つの基本を何回か繰り返す方が定着します。


 教材選びに正解はありませんが、「自分が続けられるかどうか」が最優先です。合わないと感じたら、別のものに切り替えるのも大切な判断です。


 
4. 挫折しないコツ:習慣化と“分からない”との付き合い方

 

 Mayaを独学していると、途中で手が止まる瞬間が必ず訪れます。「全然分からない」「なんでうまくいかないのかが分からない」。こうした“分からなさ”に出会ったとき、どう対処するかが、継続できるかどうかの分かれ道です。


ここでは、挫折を防ぐための現実的なコツを紹介します。

  • 習慣化は「短く・毎日」が基本

    1日15〜30分でもいいので、毎日少しだけでも触ることが最も大事です。Mayaのようなソフトは、“間を空けると忘れる”タイプのツールです。

  • 平日は30分だけ触って、土日に少し多めに練習する

  • 小さな課題(例:今日中に箱に穴を開ける)を決める

  • 「今日は起動してCubeだけ作った」でもOKにする

継続に必要なのは「気合い」ではなく、無理のないリズムです。


「分からない」を抱え込まない

 何かがうまくいかない時は、放置せずに“調べてみるクセ”をつけましょう。


  • わからない用語 → 検索+画像で確認

  • 操作が変 → チュートリアルを見返す or YouTubeで検索

  • 思い通りにいかない → 「Maya 〇〇 できない」などで調べる(ぜひChatGPTを活用して)


 Mayaは使用者が多いため、検索すれば大抵の答えは出てきます。

 英語でも情報が見つかるので、翻訳ツールを併用すれば問題ありません。


完璧を求めすぎない

「どうせやるなら、ちゃんと理解しながらやらないと」

その気持ちは大切ですが、最初は“わかったつもり”で十分です。


  • 完璧に理解できるのは、何度も繰り返してから

  • 分かったと思っていたことも、後から「あ、こういうことか」となるのが普通

  • 最初は“なんとなく形ができた”で自分を褒めてOK


独学で一番大切なのは、「止まらないこと」です。進むペースは人それぞれで構いません。ときどき止まりつつも、“続けている”ということ自体が、何よりの成果です。


 
5. 初心者が最初に作るべき練習作品1選

Mayaの操作に少し慣れてきたら、次のステップは「自分で何かを作ってみる」ことです。ただ、いきなり壮大なアイディアに手を出すと、途中で迷子になったり、完成せずに終わってしまうことも。


そこでここでは、初心者が最初に取り組みやすい“ちょうど良いサイズ”の練習テーマを1つ紹介します。


自分の部屋のミニチュア風シーン

 例:自分の机周り、部屋の一角、理想のワークスペース

 難易度:ちょっと難しい(シーン構成とカメラワーク)

 学べること:空間の把握、複数オブジェクトの管理、光の使い方


 身近な空間をモチーフにすることで、「見慣れているはずなのに難しい」発見が多くあります。照明やカメラ演出も練習できるため、ひとつの作品としての完成度を高めやすいテーマです。


小さく始めて、途中でもOKを出す

 最初から完璧を目指さず、途中の段階でも“一区切り”として保存・記録しておくことも大事です。スクリーンショットを残したり、SNSに投稿してみると、自分の成長を可視化できます。


 これらの練習を重ねていくことで、操作に自信がつくだけでなく、「こういうのが作りたい」が少しずつハッキリしてくるはずです。



 

6. 自分のアートアイディアを効率よくカタチにするには?

 Mayaを学ぶモチベーションとして「作ってみたい世界がある」「頭の中のイメージを立体で表現したい」という気持ちを持っている人も多いと思います。でも、いざやろうとすると、「どこから手をつけていいのか分からない」という壁にぶつかりがちです。


 このセクションでは、自分のアイディアをスムーズに形にしていくための進め方と考え方を紹介します。

スタートは“描く”か“集める”

イメージを作り始めるとき、頭の中だけで構成するのは難しいので、まずは視覚的な材料を用意します。

  • ラフスケッチを描いてみる(紙でもタブレットでもOK)

  • Pinterestや写真でリファレンスを集める

  • 色や雰囲気が近い作品を並べてみる


作る前に「見る」時間を取ることが、結果的に制作の効率を上げるポイントです。


すべてを“正確に”作らなくていい

自分のアイディアを表現しようとすると、「このディテールも入れないと」「リアルじゃないとダメかも」と考えてしまいがちですが、最初から完璧な再現を目指す必要はありません。

  • 伝えたい“雰囲気”を大切にする

  • 作れる範囲で省略してもOK

  • ラフでも形になれば、次の表現のステップが見えてくる

まずは「完成させること」を目標にしたほうが、成長スピードが上がります。


「小さい表現」から積み上げる

 たとえば、ファンタジーな街並みを作りたいと思ったら、いきなり全体を作るのではなく、


  • 街の中の“看板”だけ作ってみる

  • “ひとつの家”を細かく作ってみる

  • “窓の装飾”だけをテーマにしてみる


というように、部分からアプローチする方が効率的です。ひとつずつ形にしていけば、結果的に作品全体にも近づいていきます。


「アイディアを残す仕組み」も作っておく

制作途中で新しいアイディアが浮かぶことも多いので、それを逃さないために:


  • アイディアノートやメモアプリを使う

  • 制作ログとしてスクリーンショットを撮って残す

  • SNSに過程を記録しておく


こうした「自分なりの制作の流れ」があると、時間が経っても再スタートしやすくなります。


作りたい気持ちがあるなら、あとは形にしていくだけ。

効率の良さは、準備と小さな完成の積み重ねから生まれます。

 
まとめ

 Mayaの独学は、決して簡単ではありませんが、確実に積み上がっていく学びです。

操作に迷う日も、理解できないまま終わる日もあると思います。でも、そういう時間こそが、少しずつ自分の引き出しを増やしてくれています。


 大切なのは、「止まらずに続けること」。

今日できたことが、明日の自分の力になります。焦らず、自分のペースで、自分だけの表現を育てていってください。



© rui

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